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【在宅で看取ること】~人の死と対峙する~

訪問看護師になって本当に良かったと思えた出会いがありました。

それは、A大学病院より、がん末の方の新規お客様を依頼されたことが始まりでした。

 

Dさん、87歳・女性、原発性不明癌、全身黄染・腹水著明、全身疼痛あり。介入当初は意識清明で、私たちが来ることを楽しみにしてくれていました。Dさんは「もう思い残すことは何もないのよ。家族がこんなにしてくれて。家で過ごせて最高に幸せ。孫も交代で来てくれて。」と話されていました。

介入当日から、HOT・PCAポンプで疼痛緩和が開始されました。当初は、ベッド上で洗髪・足浴など清潔援助をメインに実施していました。ケア実施すると「あ〜気持ちいい。」と嬉しそうに毎回、言葉を届けてくださる方でした。

 

介入して2週間が過ぎた頃、経口より水分を摂取すると誤嚥を起こすようになり、即中止をお願いしました。でも、夫は陰でアイスなど食べさせていたと思います。夫の思いもあり、それはそれでいいと思いながら、どんどん、弱っていくDさんを看ながら「いつ亡くなってもおかしくない。」と頭の片隅から四六時中、離れませんでした。

 

新規契約時、ご家族が涙をこぼしながら「怒らない母親だったのよ。本当にね、迷惑ばかりかけてきた。最後ぐらいは、親孝行したい。」と話してくださいました。

 

30代前半のお孫さんも同席しており、「お婆ちゃんに命を助けてもらった。過去、本気で死にたいときがありました。死のうと何度も試みました。でも、お婆ちゃんの癌が発覚したとき、自分は生かされてると思いました。結婚もでき、今は幸せです。」と話を聞かせてくださりました。

 

私も涙を堪えきれず、涙を流しながらの契約となり、「最後までとことん責任もって関わる。」と決心していました。

 

介入から3週間経過した頃、意識レベルもどんどん落ち、呼吸状態悪化・低酸素状態による、足趾チアノーゼも出現してきました。

 

死の前兆である、下顎呼吸もみられ、数時間内に息を引きとると予測されました。

緊急コールが鳴り、慌てて駆けつけると玄関で長女さんが待ってくれていました。泣きながら「〇〇さんが来てくれてよかった。」と抱きしめてきました。

 

ご家族も本当によく最後まで介護をされていました。頭が下がる思いで、毎回、訪問にいっていました。部屋に入ると、酸素マスクを外していました。家族も早く楽にさせてあげたかったあらわれでした。

 

亡くなってエンゼルケアが終わったあと、ご家族がDさんの顔を見て「本当に綺麗。」と言いながら写真を撮ってました。初めての経験でした。ご主人様も長年連れ添った妻をなくし、「寂しくなるな。」と呟きながら、目尻をおさえていました。

 

弔問時、一生忘れられない言葉をご家族から聞きました。

 

「一緒にケアできたことが、生きる力になっています。」

 

エンゼルケアもご家族と一緒にしました。服を選んでもらい、身体を拭き、洗髪も全てです。選ばれた服は、長女さんが母の日にプレゼントしたものでした。

 

ご家族は、やりきったといってました。今まで、沢山の方を看取ってきましたが、ここまでご家族が協力的で納得されている経験は初めてでした。「在宅ならでは」と思います。

 

昔と比べ、家で最期を迎えられる人は約2割。8割の方は、病院で最期を迎えられます。「病院だとコロナ禍で面会も十分できない・時間をかけてもらえない。」とDさんのご家族はおっしゃってました。とはいえ、大きな決断だったと思います。

 

今現在、ご家族からの言葉「一緒にケアできたことが、生きる力になっています。」が頑張れる源になっています。

 

私は訪問看護師として、どのような場面でも自分の持っている知識・技術を提供し、今後も、パワーアップしたいです。あくまで、主人公はご本人・ご家族です。私たちは黒子のように陰で支える存在です。

 

在宅で生活を希望される方々を支えたい一心です。疾患を抱えた人でも安心してお客様が自宅で生活できるよう、多職種と連携をとり、体制を整えていきたいです。

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